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自宅でできる運動

 これから梅雨や夏になり外出がおっくうになる方もいらっしゃると思います。そこで今回は自宅でできる血糖値上昇を抑える運動を紹介します。

Q:糖尿病になぜ運動が必要なの?
A:糖尿病は、血糖値を下げるインスリンというホルモンが働きにくくなった状態です。運動にはエネルギー源として糖分を利用するため、血糖値を下げることができます。さらに、運動を継続することでインスリンが効きやすい身体になり、高血圧や動脈硬化など他の病気を予防する目的もあります。
 運動と血糖値、膵臓からのインスリン分泌の関係を示した研究結果を図に示します。
 18~20歳の健康な男性23人を、35日間ベッド上で安静に暮らした群、ベッド上で1日60分の運動を行った群、通常の生活を行った群に分けてブドウ糖負荷試験を行いました。
 その結果、通常生活群に比べてベッド上で生活した群では血糖値の上昇がみられますが,運動を行った群ではその変動が緩やかです。
 さらに、ベッド上で生活した群では、血糖上昇を抑えるために通常生活群に比べてより多いインスリンを必要としていますが、運動群では安静群よりも少量のインスリンで血糖上昇を抑制できています。
 このことから運動によって血糖は低下し、インスリンも効きやすくなっている(これをインスリン抵抗性の改善と言います)ことがわかります。

 また年とともに筋力低下や、骨がもろくなることで転倒すると骨折をしやすくなります。その結果、生活に介助が必要になり、寝たきりになる可能性が高くなるため、これらを防ぐためにも運動が必要です。

Q:運動の効果とは?
A:①食後1~2時間後(血糖値が最も高くなるとき)に運動や家事を行うことで、血糖値の上昇を抑えることができます
→食後1~2時間後など、運動する時間帯を工夫しましょう!

②有酸素運動(楽~ややきつい位)を継続して行うことで、インスリン抵抗性を改善し、インスリンが効きやすい体になり、長期的な高血糖の改善に繋がります
→ライフスタイルに合わせて、運動を継続しましょう!

運動の原則

頻度 週3回
強度 ややきつい以下、話しながら行える程度
時間 10分程度行えるもの
種類 散歩、自転車などの有酸素運動+軽い筋トレ

眼や心臓に合併症がある方は過負荷にならないように担当医と相談の上で調整してください。

Q:ロコモティブシンドロームをご存知ですか?
A:筋肉・骨・関節などの運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態。
進行すると介護が必要になるリスクが高まります。

今回は食後高血糖への対策、ロコモティブシンドロームの予防、転倒予防にもなる一石三鳥な運動を、ロコモONLINE(日本整形外科学会 ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト)から紹介します。

ポイント
・支えが必要な人は十分注意して、机に手や指をついて行います。

ポイント
・動作中は息を止めないようにします。
・膝の曲がりは90度を大きく超えないようにします。
・支えが必要な人は十分注意して、机に手をついて行います。
・楽にできる人は回数やセット数を増やして行っても構いません。

ポイント
・バランスを崩しそうな場合は、壁や机に手をついて行ってください。
・また踵を上げすぎると転びやすくなります。

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