脳卒中や心筋梗塞などの血管病変は夏よりも冬に多いと言われています。血糖値やHbA1cもまた冬に高くなるという研究報告がされています。
季節による血糖値の変動は今までもいくつもの報告がされています。日本でも東西南北各地で調査・研究が行われています。
いずれもHbA1cが1~3月に高くなり、8月に低くなるという結果になりました。
つまり、血糖値は秋から冬にかけて高くなり、夏で低くなるという傾向があるということになります。
では、なぜ季節で変動するのか。
季節による生活の変化が原因といわれてます。
秋から冬にかけては食べ物がおいしくなる季節です。また冬は忘年会や新年会などの行事も増え、つい食べ過ぎてしまうことも関係していると思われます。加えて、寒くなってくると運動量が減ってしまう方が多いのではないでしょうか。
こうした季節による生活の変化が血糖値に影響を及ぼしています。
そこで季節によっても変動する血糖値に対応するために、今回のブログでは“ついで”にできる生活運動をいくつかご紹介したいと思います。
生活運動とは、家事、買い物などの“ついで”を意識して運動をすることです。
たとえば...
例① 買い物・外食後:遠回りをして+10分間歩く。
例② デスクワーク:椅子で両脚を上に挙げる運動や腹式呼吸を行う。
例③ 通勤:エレベーターやエスカレーターではなく階段を使用する。
例④ 家事:食後1~2時間後(血糖が上がる時間)に家事(掃除、洗濯など)をやる。
このような“ついで”の運動が、血糖値の上昇を防ぎ、体力の向上に効果があります。
また、運動する時は以下の頻度、強度、時間、種類を意識して取り組んでみると良いと思います。
頻度 | 週3回 |
強度 | ややきつい以下、話しながら行える程度 |
時間 | 10分程度行えるもの |
種類 | 散歩、自転車などの有酸素運動 “ついで”の運動 |
是非“ついで”の運動で健康な体を目指しましょう!
~参考文献~
菊地大輝,下沖収,髙橋智弘,他.2型糖尿病患者でのHbA1cの季節変動について.日病総診誌.2020;16(3);172-175.