暖かい日が増え、外出が楽しい季節になりましたね。皆様いかがお過ごしでしょうか。
今月のブログを担当する検査科の山本です。
さて皆様は『フリースタイルリブレ』という製品をご存知でしょうか。
Abbott社から販売されている血糖測定器の一種で、皮下の間質液中のグルコース濃度を自動で測定をしてくれる機器です。
二の腕に小型のセンサーを装着するだけで最長14日間自動でグルコース値を測定してくれるため、血糖値の変動が分かりやすいという利点があります。
例えば日中は血糖値に問題がなくても、夜間寝ている間に低血糖状態になっていたり、食事をした直後などに血糖値が急激に上昇をしているかなどを確認することができます。
血糖値の急激な変動が引き起こすリスクについては2025年3月のブログも参考にしてみてください!
さてそんなフリースタイルリブレですが、従来の製品ではグルコース値を確認するには専用の読み取りリーダーでスキャンをする必要があったり、もしくはセンサーを外すまでは数値の確認はできませんでした。
しかし後続製品である『フリースタイルリブレ2』はスマートフォンからグルコース値を確認できるようになったのです!
専用のアプリに、測定されたグルコース値のデータが1分毎に送信されるため以前よりも数値の確認がグッと手軽になりました。
スマートフォンと腕に付けたセンサーをBluetoothで接続してデータを送信しているのですが、仮にこの接続が切れてしまっていたとしても8時間分は記録が保持されているため、スマートフォンをセンサーに近づけてスキャンをすれば過去分を補完することが可能なのです。
また、アラート機能があり高血糖(120~400mg/dlの範囲で設定可能)や低血糖状態(60~100mg/dlの範囲で設定可能)のときに通知が届くように設定することも可能です。
ここで一つ注意していただきたいのは、フリースタイルリブレ2で測定をしている間質液中のグルコース値というのは血液中のグルコース値、つまり血糖値から5~10分のタイムラグがありますので、気分不快や冷や汗、動悸などといった症状が出現した場合にはスマートフォンの表示が低値でない場合でも自己血糖測定器を用いて速やかに血糖値を確認し、低値であれば対応をしてください。
血糖コントロール改善のために自身のグルコース値の変動を見ることはとても重要なことです。私自身も14日間実際にセンサーを付けて生活をしてみたのですが「カップラーメンは他の食べ物に比べて血糖の上昇が速いし大きいな…」「食事のときは野菜から食べたほうが上昇を抑えられる…」などと様々な学びがありました♪
私がフリースタイルリブレ2を付けていた間に受けた質問をいくつかご紹介します。
Q.センサーを腕に付けたまま、針が刺さっているなら痛い?
A.センサーを装着する瞬間も、付けていた14日間も痛みは無かったです。血管ではなく皮下に、なおかつすごく細いセンサーを刺すので痛みを感じる方は少数ではないかと思います。
Q.お風呂は入れるの?取れてしまわないのか?
A.シャワーや入浴は可能です。しかし湯舟に30分以上浸かることは避けましょう。脱衣や身体を洗う際にセンサーを付けていることを忘れて強く腕を当ててしまうことがあったのですが14日間取れることなく過ごせました。
Q.スマホとセンサーはどれくらい離れていて大丈夫?
A.メーカー推奨は6m以内です。しかしセンサーとスマホに遮蔽物がない状態を保てない場面も多かったため、適宜アプリを見て接続がされているか確認をしていました。
(接続の確認以上にグルコース値が気になっていたのが本音です)
スマートフォンを持っていない、もしくはスマートフォンはあるがフリースタイルリブレ2に非対応だという方でも、センサーをスキャンする専用のリーダーがありますのでご安心ください!
ただしCT、レントゲン、MRIの検査を受ける場合はセンサーを取り外す必要がありますので注意をしてくださいね。
現在院内ではフリースタイルリブレ2に移行していますので興味がある方は外来受診時に声をかけてください♪
江戸川病院 検査科 山本