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医師のブログ 血糖自己測定の勧め

糖尿病専門医:森 俊子

血糖自己測定の勧め

・インスリンを使用中でかつ血糖変動が大きい患者さんの場合,HbA1c の値だけをみて血糖コントロールが悪化したと判断してインスリンが増量されると,空腹時や早朝に低血糖が起こりやすくなります.

・低血糖を何度も経験すると低血糖が怖くなり,自己防衛のために必要以上に食べさらにHbA1cが上がるという悪循環に陥ります.

・現在の自身の血糖値を正しく把握し,顕著な高血糖や低血糖を避けるためにインスリン使用中の方には血糖自己測定をお勧めします.

血糖自己測定の必要性

・血糖自己測定(Self-monitoring of blood glucose; SMBG)とは,簡易血糖測定器を用いて,自分で血糖値を測定することです.日常生活での血糖値を知ることでより良い血糖コントロールを目指すことができますし,低血糖やシックデイ時の対応にも重要な指標となります.

・インスリン療法は強力な血糖降下作用がある反面,低血糖も起こす可能性があります.低血糖を極力回避し良好な血糖コントロールを得るために,患者さんは自身の血糖変動を把握する必要があります.

血糖自己測定(SMBG)の意義

血糖自己測定 (SMBG) の限界

・低血糖を繰り返すと自覚症状が薄れ,無自覚で重症低血糖に陥ることが知られています.これを避けるためには,低血糖を最小限に抑えることが重要です.

・従来の血糖自己測定(SMBG)は,最も一般的に行われている 方法ですが,屋外の作業や睡眠中などSMBGを行えない時間帯の血糖値を知ることや,その時点での血糖が上昇傾向か下降傾向にあるのかといった変動傾向を把握することは困難です.


 

持続血糖測定(CGM:Continuous Glucose Monitoring)

リアルタイム持続グルコース測定
(Continuous Glucose Monitoring:リアルタイムCGM)

皮下間質液中のグルコース濃度を断続的に自動測定し,常時モニター画面に表示
→現在当院ではDexcom G7やフリースタイルリブレ2という機種が使用可能

間歇スキャン式持続グルコース測定
(intermittently scanned CGM; is CGM)

皮下間質液中のグルコース濃度を断続的に自動測定し,患者がスキャンした時にモニター画面に表示
→フリースタイルリブレ

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